引越料金の仕組み
引越料金は一件一件の荷物の質や規模、条件によって左右されます。
引越料金の計算はとても複雑ですが、使用する基本的な計算式はどの引越業者、運送業
者も同じようなものを使用しています。
見積もり書や契約書に記載される引越料金の内訳は次のようになっています。
基礎運賃・基礎作業料金 + 実費 + 付帯サービス料 = 引越料金
<基礎運賃・基礎作業料金>
これには引越作業の内容によって、時間制と距離制があります。
時間制には4時間または8時間という基礎時間があり、軽貨物運送業者の場合には2時間
または8時間という基礎時間があります。
1時間を超過するごとに追加料金が加算されるしくみです。
距離制の場合には100Km、軽貨物運送業者の場合には30Kmという基礎距離があります。
輸送距離がこれらを超過すると追加料金が加算されます。
基礎運賃・基礎作業料金は国土交通省によって定められている、または届出が必要な引越約
款というものに基づいて計算されているので、法外な料金というのはありません。
また引越作業とは業者が積地に到着してから、業者が帰庫するまでと定義されています。
<実費>
これには引越作業員人数分の作業料、ダンボールなどの資材費、有料道路通行料などが含ま
れます。
また現地での見積もりを行った場合、遠隔地などではかかった交通費を請求される場合がありま
す。
有料道路通行料については運送業者が片道分を請求することが慣例となっているようです。
フェリーを利用する場合には荷主が往復分を負担しなければなりません。
<付帯サービス料>
代表的なものにエアコンの取り付け、取外しやピアノの運搬、不用品の処分等があります。
引越業者が自社で対応する場合には料金は割安となりますが、提携業者に依頼する場合には料
金格差が大きいようです。
利用した場合とそうでない場合を数社比較検討したうえで、個別に依頼したほうが安くなる場合もあ
ります。
午前便と午後便の違い
引越しには朝一番から引越作業を開始する午前便と、たいてい時間指定のできない午後便、また
はフリー便と呼ばれるものがあります。
同条件での引越しの場合、午後便を利用すると場合によっては午前便の引越料金の半額程度に
まで割引される場合があります。
フリーはフリータイムの意味ですが、荷主が好きな時間を選択できるという意味ではなく、引越業
者が都合のよい時間に引越作業をするという意味です。
引越業者の当日のスケジュールに合わせて、午前になる場合も午後になる場合もあります。
ただし条件によっては午前便しか利用できない場合や午後便を利用する際にはリスクが伴う場合
があることも知っておきましょう。
午後便が安い、お得というイメージが強いですが、条件をしっかり把握して利用することが大切です。
トラックを何台も使用するような規模の大きな引越しは、朝から開始しなければその日のうちに終わ
りませんから、こういった引越しの場合には必然的に引越業者から午前便として指定されます。
また引越しを明るいうちに確実に終わらせたいといった場合にも、午前便を選ぶ必要があるでしょう。
中規模、また比較的規模の小さな引越しで、引越料金が安くなるなら何時になってもかまわないと
いうことなら、午後便、またはフリー便を利用する価値はあります。
ただし、引越作業開始時刻は引越業者のその日のスケジュール次第ですので、繁忙期などでは
日付が変わってから作業開始といったケースも実際にあります。
午後便というのは午前便を終えたトラックが予定されている午後便へ向かうというしくみになっており、
さらに午後便の1件目、2件目といった具合に予定が組まれます。
午前便が長引けば長引くほど、また1件の引越しが長引けば長引くほど、最終に予定された午後便
の開始時刻は遅くなっていきます。
その日のそれぞれの引越しの内容次第ですが、順調に事が運ぶこともあれば、思わぬ時間を食って
しまうこともあります。
特に繁忙期と呼ばれる時期に午後便を利用する場合にはどう転んでもいいよう覚悟を決めておいたほ
うがよいでしょう。
見積もり時、営業マンは「そんなに遅くはなりません。」というようなことを言ってくると思いますが、実際
には順調に終わる引越しというのはほとんどありません。
これは荷主の引越しの準備が整っていないことが多いということが理由のようです。
荷造りをきっちりしておかないと、引越業者だけでなく、他の荷主にも迷惑をかけてしまうということも知っ
ておきましょう。
何時になるのか分からないような引越しでは困る、といった場合には午前便を利用するほうが無難です。
午後便についてマイナスなことばかり書いてしまいましたが、繁忙期以外であればそれほど遅くなること
は少ないようです。
午前便が順調に終われば、お昼過ぎからスタートできるような場合もあります。
今の時期はどうなのかといったことを引越業者の営業マンに見積もり時に確認しておきましょう。
引越作業が深夜に及ぶ可能性がある場合などはご自身のみならず、隣近所へも迷惑をかけることになり
ます。極力避けたほうが無難であることは間違いありません。
午後便の安さの秘密とは
同じ作業内容であっても午前便と午後便では、なぜ大幅に料金の格差があるのでしょうか。
実はここには引越しを依頼する側だけではなく、引越業者にとっても都合のいいからくりがあるのです。
引越業者はあらかじめ、トラック一台一台にグロスという数値を設定しています。
呼び名は異なるかもしれませんが、他業種にも同じようなしくみがあります。これは簡単に言ってしまう
と、トラック一台が一日に売り上げる金額のことです。
グロスが30万円に設定されていれば、30万円の引越しを一件やるか、10万円の引越しを3件やるか
といった形になります。
またこれはある一日に対してではなく、1ヶ月、1年といった長い期間の中での一日という大きなスタン
スで捉える必要があります。
時間のかかる規模の大きな引越しでは、一台のトラックが一日にこなすことのできる引越し件数は当
然少なくなってしまうので、引越料金は高く設定されます。
つまり引越業者は午前便である程度グロスを確保しておき、その後に午後便の数をこなすことでトータ
ルのグロスに到達させるということです。
引越作業の現場では作業員が走り回っているのをよく見ますが、これはこのグロスを確保するために
引越し件数をこなす必要があるからでしょう。
こういったことから引越料金と時間というのが密接な関係にあることがわかります。
この場合の時間というのは、移動時間を含めた引越し車両と引越作業員の拘束時間のことです。
拘束時間の長い引越しは高く、拘束時間の短い引越しは安くなるということです。
引越業者としてはこの一件の引越しの拘束時間が短ければ、数をこなすことができるので、トータルで
一日のグロスに達すればいいわけですから、一件あたりの引越料金はあまり関係ないということにな
ります。
引越料金を下げてでも数をこなすことで、充分に利益を生み出すことができるわけです。
ここに午後便の安さの秘密があるのです。
つまり引越業者にとっては足の出る料金設定も、午後便には有り得るということです。
最低ラインというのはどの引越業者も設定していると思われますが、本来設定されるべき料金というのは
この場合あまり意味を持ちません。交渉次第では大幅な割引が期待できます。
しかし数をこなすためにはそれなりの時間も必要になるので、ほとんどの業者では午後便、またはフリー
便については作業開始時間の指定や約束には応じないようです。
引越業者の都合に合わせての引越しになるのでその見返りとして、引越料金を割引するというしくみです。
引越の料金
引越業者からの見積もりを検討する際に、一番気になるのがその引越料金だとおもいます。
同じ荷物、条件での引越しなど有りえないので正確には他の引越しと比べることは不可能です。
しかし同じ引越しの見積もりを異なる引越業者に依頼すると、多少料金は異なってくるのは確かです。
全体的に平均するとどうなのか、おおよその目安として一般にもいくつか資料が公開されています。
今回は全国での取扱引越件数が最も多い関東運輸局の資料を抜粋しました。
モデル1
単身 1F→1F 1K~1DK 輸送距離100Km程度
2t車1台 運転手1名 作業補助1名
モデル2
家族 1F→1F 2DK~3DK 輸送距離100Km程度
4t車1台 運転手1名 作業補助2~3名
以上の例には以下の条件が付与されています。
・大物類の荷造り、荷解き及び搬出、搬入は業者が行う。
・ダンボール箱10~20枚をセット
ピアノ運搬やエアコン脱着など付帯サービスについては全日本トラック協会の資料から抜粋。
ピアノ運搬料
最低 10,000円未満 最高 60,000円 最多 40,000~45,000円
エアコン取り付け
最低 5,000円未満 最高 40,000円 最多 10,000~15,000円
エアコン取外し
最低 5,000円未満 最高 25,000円 最多 5,000~10,000円
他にも代表的なものに不用品の処分がありますが、これは各地方自治体を利用するのが最も安
く済むようです。
またリサイクル業者の利用や、引越業者によってはリサイクル品の引き取りなどをしているところ
もあるので、利用してみては。
また家電リサイクル法の施行により、家電メーカーにも製品のリサイクルが義務づけられました。
これはあらかじめ製品ごとに処分料が決められており、従来の粗大ゴミでは回収されない家電品を
対象としています。
製品の購入価格にリサイクル料金が含まれているものもあるので有効に利用しましょう。